爽籟 -3人展(樫尾聡美、佐合道子、保木詩衣吏)-

爽籟 -3人展(樫尾聡美、佐合道子、保木詩衣吏)-
  • 開催日程:
  • 開催時間:
  • 開催場所:Enishira Stream Gallery
  • 休廊日:火、水、木

樫尾聡美(染色)、佐合道子(陶芸)、保木詩衣吏(ガラス)の三人展「爽籟(そうらい)」を開催いたします。

爽籟とは、”秋風の爽やかな響き”を意味する秋の季語です。
「爽」は爽やかを意味し、転じて晴れ渡った気配を表す秋の季語。
「籟」は元々は三つの穴を持つ笛の音を意味し、転じて、響きや声、音を意味する。

秋の訪れを感じるこの季節に、ジャンルの異なる3名の作家が創り出す作品を楽しんでいただけると幸いです。

在廊予定日
・樫尾聡美:10/27
・佐合道子:10/27(13-17)、11/2 (12~17)

 

樫尾 聡美/ Satomi Kashio(染色)


細胞の1つ1つを模様として捉え生命の内側を覘いてみると、そこには驚く程美しい装飾が潜んでいます。故に、人は装飾を見たときに普段は皮膚に覆い隠されて見えない生命の内側を直感するのではないでしょうか。私にとって、布を染め、細かい模様を描くのは、肉眼では目にすることができない小さな生命たちを見つけていくような幸福感のある行為です。染料の揺らぎと、指先から生まれてくるような細い線を楽しみながら装飾的に生命力を描き出したいと考えています。

<プロフィール>
2008 金沢美術工芸大学 美術工芸学部 工芸科 染織コース卒業
2010 多摩美術大学 美術研究科 デザイン専攻 テキスタイルデザイン研究領域修了
2012 公益財団法人 金沢芸術創造財団 金沢卯辰山工芸工房修了
   岡山県立大学 デザイン学部 造形デザイン学科 助教(~2017年)
2017 京都市立芸術大学 美術学部 非常勤講師(~2017年)
2020 University of Wollongong(オーストラリア)レジデンスアーティストとして滞在
2022 名古屋芸術大学 非常勤講師(~現在)

<主な展覧会>
2022 「北陸工芸の祭典GO FOR KOGEI」 / 勝光寺 / 富山
   個展/「ののはなの芽吹く」/ まちなか商学校 / 北海道
2020 Beginning again and again and again / 繰りかえし、繰りかえし、
   そしてまた始める」/ University of Wollongong / オーストラリア
2019 「目の目 手の目 心の目part2」/ 岡山県立美術館 / 岡山
2018 「現代染色の世界」 / 信州高遠美術館 / 長野
   「第八回I氏賞受賞作家展 かたちを見つめて」 / 岡山県立美術館 / 岡山
2017 「染・清流展」/ 染・清流館 / 京都
2016 個展 / 「もやのただよふ」 / 倉敷市立美術館 / 岡山
2015 個展 / 「アペルト2樫尾聡美―生命の内側にひそむもの」
   金沢21世紀美術館(長期インスタレーションルーム)/ 石川

<主な受賞歴>
2008 毎日DASデザイン賞・テキスタイル部門賞
2012 第68回金沢市工芸展・入選(’11)
2014 第7回岡山県新進美術家育成I氏賞・奨励賞
2016 第17回岡山芸術文化賞・グランプリ

 

佐合 道子 / Michiko Sago(陶芸)


昨年冬に確立した総貼花技法による作品を中心に出品します。総貼花技法とは、陶芸の伝統的な貼花(ちょうか)という技法のみで作品全体を成形することを指します。これにより自然物の持つ繊細さや華やかさ、またそれらの奥に潜む力強さが凝縮されます。

<プロフィール>
1984 三重県生まれ
2009 金沢美術工芸大学 工芸科 卒業
2011 同大学 美術工芸研究科 修士課程 修了
2013 4月より同大学にて助手(~’22)
2014 同大学 大学院美術工芸研究科 博士後期課程 満期退学
2018 石川県立九谷焼技術研修所 実習科 加飾専攻 修了
   一級陶磁器製造技能士(上絵付け作業)資格取得(所轄・主催;厚生労働省)
2019 金沢美術工芸大学 大学院美術工芸研究科 博士後期課程 学位取得(芸術)
2023 金沢美術工芸大学 非常勤講師
   現在は金沢市内にて制作

<主な展覧会>
2009 「現代工芸への視点-装飾の力」<東京国立近代美術館工芸館/東京>
2014 「現代・陶芸現象」<茨城県陶芸美術館 / 茨城>
2016 「焼締̶土の変容」<海外巡回展(2016/4/19~現在)、主催;国際交流基金>
2020 「和巧絶佳展 令和の超工芸」<パナソニック汐留美術館/東京> 2
2022 「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI」<那谷寺/石川>
2023 「第17回パラミタ陶芸大賞展」<パラミタミュージアム/三重>

<主な受賞歴>
2009 「Kanazawa Art Project 2009・秋のオフィスアート」 最優秀賞
2014 「第10回国際陶磁器展美濃・国際陶磁器コンペティション」入選
2017 「第73回金沢市工芸展」金沢市工芸協会会長奨励賞
2017 「県立九谷焼技術研修所 平成28年度卒業・修了制作展」石川県立九谷陶磁器商工業協同組合連合会 理事長賞
2018 「第74回金沢市工芸展」金沢市長奨励賞
2019 「第75回金沢市工芸展」金沢青年会議所理事長賞
2020 「第76回金沢市工芸展」世界工芸都市宣言記念賞
2024 「第47回伝統九谷焼工芸展」審査員長特別賞
2024 「第80回現代美術展」北国賞
2024 「第13回国際陶磁器展美濃・国際陶磁器コンペティション」入賞

<パブリックコレクション等>
金沢美術工芸大学/石川
茨城県陶芸美術館/茨城
国際交流基金/東京
Four seasons Hotel Tokyo at Otemachi/東京
ギャラリークレヴィア有楽町イトシア(伊藤忠都市開発株式会社)/東京
FACHON HOTEL KYOTO/京都

 

保木 詩衣吏 / Shieri Hoki(ガラス)


板ガラスに釉薬で絵付けを施し、焼成、研磨し、作品を制作しています。ガラスに雪や落葉など朽ちていくものを”溜める””留める”ことをテーマとし、器をモチーフとした立体造形を行っています。器は、常に変化していくものを、その場に留めるために人が作り出したものと考えます。水を運ぶため、人と食卓を共にするため、亡くなった人を器(棺)に入れて愛しむため。器は留まらないものを留めたいと思う矛盾した想いの形です。ガラスは人が生み出した人工素材です。板ガラスという一見無機質な素材は熱を加える事で自由に動き出し、生き生きと、まるで命を得たかのような表情を見せます。ガラスと熱を用いて、器という想いの形に自然を表現することは、人であるから生まれる矛盾の想いの、留まらないと知りながら、留めたいと願う矛盾の想いの生き生きとした可視化と具現化なのだと考えます。
地上に留まる水溜りのように、流れ消えていくものを慈しみ留める、「器」を制作しています。

<プロフィール>
1985 岐阜県飛騨市に生まれる
2009 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 卒業
2012 富山ガラス造形研究所 研究科 卒業
2015 卯辰山工芸工房 ガラス工房 修了
2017 金沢市にて「保木 硝房」として独立
2023 金沢卯辰山工芸工房 専門員

<主な展覧会>
2016 ガラスに見えないガラス展 能登島ガラス美術館
2021 富山ガラス造形研究所 創立30周年記念展 未来へのかたち 富山市ガラス美術館
2023 玻璃幾分熟-當代國際藝術展 新竹市玻璃工藝博物館

<主な受賞歴>
2011 第5回 KOGANEZAKI 「器のかたち」現代ガラス展vessels 奨励賞
2013 日本現代工芸展 新入選
2015 現代ガラス展in山陽小野田 大賞
2015 15’日本のガラス展 がらすらんど賞
2017 第3回 アートと工芸の金沢オークションJR西日本賞
2018 第7回そば猪口アート公募展 優秀賞
2022 「新竹市金玻璃賞」佳作

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